働きアリの流儀

日本、タイ、米国の企業で働く3人組が日々の気づきを綴っています

泊にそって

タイを縦断し、首都バンコクを経てタイランド湾へつながるチャオプラヤ川バンコク都内を数十キロに渡って流れており、歴史ある寺院から観光地、ショッピングモール、小洒落たカフェなどが川に沿って並んでおり、連日多くの人の憩いの場となっている。

 

川幅数百メートルあろう広大な水面には、大きな船から小船まで数多の船が駆け巡り、川自体が、生活の居であり、交通網であり、都民の憩いの場となっている。バンコクを縦断するチャオプラヤ川には多くの橋が架けられ、その橋一つ一つの持つ特徴が、橋の架かる周辺のエリアの街の雰囲気を個性あるものへと造形する。橋と川とその周辺の街並みがバンコクのこの川の流域数十キロに渡って広がることから、時に人はこのチャオプラヤ川バンコクのシンボルだと喩える。

 

私がこの川を眺めるのが好きなのは、景観だけが理由ではなく、ここがエネルギーの多く入り混じる所だから。

 

水上バスとも呼ばれる渡や小船の泊が川にそって多くあり、泊と泊を高速で行き来するこの船は、川辺に住む人々にとって、欠かせない交通網である。バンコクを走る高架鉄道の初乗り区間賃が40円ほどである中、小船で対岸まで渡る船賃は15円ほど。私の友人の母は隣県からこの川を降りバンコクへ行く船に乗って毎日通勤するそうで、まさに、川を駆け巡る船と川は、郊外に住む人々の、貴重な移動手段として、都心へ出勤するタイ人のエネルギーを運んでいる。

 

少し川を降れば、ガラス張りで夜はカラフルな光に照らされる、まさに豪華絢爛と形容されるのがふさわしい巨大なショッピングモールが堂々と立つ。その絢爛な建物の堂々たる佇まいに加え、泊からショッピングモールの入口までに展示されるライトアップや巨大な噴水設備は「ハイソ」そのものである。テーマパークのような賑やかな広大なフロアの中に再現された水上市場には食品や雑貨等が本物の市場さながらの姿で販売され、上層階には世界各国から集まる高級ブランドのショップが多く並ぶ。日々満員御礼のにぎわいを見せる。

 

そこから少し下流に行けば、若者がデートにと訪れるオシャれなマーケットと観覧車のある複合商業施設もあり、以前は国外からも多くの観光客が訪れた。デートにとオシャレをして、スイーツを楽しみながらいつもと違ったひとときを過ごすカップル、高級ブティックにてショッピングを楽しむ人々、そして川沿いに聳えるショッピングモールらはタイの熱心な購買意欲と豊かなエネルギーで溢れる。

 

そして川沿いには、かの三島由紀夫氏の小説に取り上げられた寺院を始め、多くの寺院が建ち並び、お参りに日々多くの人が訪れる。川を一望しながら凝ったケーキやドリンクを頂けるカフェも増えてきており、一眼レフやフィルムカメラを片手に景色を写真に収める若者も多くいる。この川沿いを、連なる橋を舞台に撮影されるMVもいくつもある。そこには、信心深いタイ人の方々の文化と、今のカルチャーが詰まっている。

 

泊にそって。このチャオプラヤ川は、タイで生きる人にとって、欠かせない存在であり、古き良き文化と今のカルチャー、熱い勢いとエネルギーがそれぞれの泊に宿っていた。

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泊からの風景

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走り交う船。ショッピングモール スカイデッキから

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乗船口から

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