働きアリの流儀

日本、タイ、米国の企業で働く3人組が日々の気づきを綴っています

好奇心をもって人とつながろう

皆さんこんにちは。今日は「人とのつながり」をテーマに話したいと思います。コロナ禍での自粛生活の中で、人とのつながりをより大切に感じる人が増えたのではないでしょうか?

人とのつながることは、その人の幸福度やWell-beingに直結するだけでなく、仕事や私生活において新しいものを生み出したり見つけたりするうえでも非常に重要な役割を果たします。そこで今回は、人とのつながりに関する3つの法則を紹介しながら、私たちの仕事や生活をより豊かにする方法について見ていきたいと思います。

1.六次の隔たり(Six Degree of Separation)

この理論は、友達の友達のようなつながりをたどっていくと、5人を仲介する(6段階の関係)で世界中のあらゆる人とのつながりを見出すことができるという考えです。これは、米国の社会心理学者のStanley Milgram氏が1967年に行ったスモールワールド実験に由来するものです。

これは偶然なのか分からないのですが、この論文が発表される少し前の1964年に、ニューヨーク世界博覧会でウォルト・ディズニーユニセフのために制作したアトラクションの名前が、it’s a small worldです。東京ディズニーランドにもあるこのアトラクションには、「人種や国籍に関係なく、子ども同士のように平和に、狭くつながっている世界」というメッセージがあるそうです。

確かに5人を仲介するだけで世界中の誰とでもつながれてしまうのであれば、お互いに争い合うのではなく、よりお互いを身近に感じて仲良くできないかと考えてしまいます。

2.弱い結びつきの強さ(Strength of Weak Ties)

2つ目のこの理論は、価値ある情報の伝達やイノベーションの伝播においては、強いネットワーク(例:家族や親友、同じ職場の仲間)よりも、弱いネットワーク(例:ちょっとした知り合いや知人の知人)の方が重要であるという考えです。下図を見ると分かるように、右側の弱い結びつきの方が情報伝達ルートに無駄がなく、また遠くに伸びやすいので様々な知見・情報が遠くから入ってくることになります。

 

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強い結びつきと(左)と弱い結びつき(右)(出典:入山章栄氏)

できるだけ遠くの人や情報につながることで多様な知見や考えに触れることは、新しいものを生み出すためには不可欠です。ビジネスの世界でよく言われるイノベーション(Innovation)という言葉も、もともとは新結合(New Combination)という言葉を語源としており、何か既存のもの同士を組み合わせることでイノベーションは生まれます。そのため、自分の周囲でない遠いところにあるものとの組み合わせや結合はより想像力を高めることにつながるということです。

もちろん実際に何か新しいアイデアを形にするには上手く連携の取れる人たちと協働する必要があるので、強いつながりが必要になってきます。つまり、弱いつながりと強いつながりを目的によって使い分けることが大事ということですね。

3.ストラクチュアル・ホール(Structural Holes)

3つ目のこの理論は、ネットワークのどこに位置することが一番得なのかを考察したもので、シカゴ大学のロナルド・バート教授によると、下図の矢印の部分にいる人がこのネットワークにおいて最も情報が集まりやすい場所であり、かつ情報の流れをコントロールしたりフィルタリングできるハブの役割を担っているという考えです。

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ネットワークをつなぐハブの位置(出典:入山章栄氏)

この位置にいかに戦略的に身をおけるかが知りたいところですが、早稲田大学大学院経営管理研究科の入山章栄享受によると、組織と組織の間や会社内の部門と部門の間にあたる境界をいかに超えられるかが重要で、それを実現するのに必要な要素は好奇心であると指摘しています。よくある言葉で言うと、いかにフッ軽な人間になれるかが大切ということですね。

まとめ

今回は「人とのつながり」に注目して3つの理論を紹介してみましたが、実際に明日から行動に移すにはどうすれば良いのでしょうか?今の時代はLINEやFacebookで旧友とはつながっているわけですし、好奇心と勇気をもってしばらく連絡を取っていなかった知り合いに連絡してご飯にいくのも良いかもしれません。また、より弱く遠いつながりを作りたいということであれば、Yenta(https://page.yenta-app.com/jp )やLinkedIn(https://www.linkedin.com/)のようなYentaは、社会人同士を繋いでくれるアプリやサービスを利用してみるのも良いと思います。

人とのつながりというのは、本や講義で何かを意図的に学ぶのと違って何が得られるのかが会って話してみるまで分からないという面白さがあると思います。これは一見非効率にも見えますが、本当に価値のある情報や知見は本や講義で整理されていない断片的なものであることが多かったりします。あまり打算的に考えずに好奇心をもって色々な世界に飛び込むことが、仕事や生活をより豊かにしてくれる第一歩になるのではないでしょうか?

 

出典:「あなたの人脈はビジネスに生きているか。入山章栄に聞く弱くて強い結びつきの価値」(Business Insider)

www.businessinsider.jp

つねなり